小説 銀漢の賦
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前回、葉室麟の蜩ノ記を紹介しました。
葉室麟の入門編ということを書きましたが、今回紹介する銀漢の賦は、葉室麟の真骨頂と言いますか、これぞというど真ん中の作品です。
表紙を見て下さい。タイトルこそ主張していますが、派手さがなく(絵の悪口ではないです💦)初見ではなかなか手が出ないのでは、と思います。(個人的に)
しかし、読んだことのない人は幸せです。だって、これから楽しく読めるのだから。
この本をすすめしたい人種は、ずばり組織人。そう、サラリーマンです。世のサラリーマンに是非読んで頂きたい。
時代小説全般に言えるのですが、武家社会(封建社会)は、まさに、サラリーマンの属する組織に置き換えることが出来るのです。
取締役は、殿様やその親族。重役は家老。課長は奉行って具合です。こうやって変換して読むと、時代小説は身近なものになり痛快で面白い。池井戸潤の小説に重なりますよ。
この銀漢の賦は、組織人にとって切っても切れない出世の話しや、年数を経過しての同期との関係性、武士としての矜持などが絡み合って、この時代に生きるサラリーマンのバイブルになるような気がします。読み終えた後、僕は気持ちが楽になりました。
へるめーす君check!
※葉室麟の作品の中では:★★★★★
※組織人以外はどうよ :★★☆☆☆
※忍法がどう凄いのよ :☆☆☆☆☆
※表紙絵が渋いぜ :★★★★☆